黒尽くめの服装で登場したTHE NOVEMBERS。Vo/Gの小林なんてこのうだるような熱気の中長袖シャツに昔のロバート・スミスみたいなもしゃもしゃの髪型をしている。つぶやくような自己紹介の後に“こわれる”でスタート。不穏なギターリフ、小林の引き叫ぶようなシャウトで一瞬にして彼らの世界に引きずり込まれる。混沌と狂気と憂鬱が刹那のなかでのたうち回る、強烈な轟音のなかでどんどん覚醒していく感覚。その隙のない完成された世界からだだ漏れてくる激情に、身動きが取れなくなった。「やさしい曲をやります」といって鳴らされた“ガムシロップ”は雄大なサウンドスケープを描きながら、どこか残酷な白昼夢のような世界が展開していき、そこから怒涛の“she lab luck”へつながる展開は圧巻だった。最後に「人に応援されないと出来ないバンドなんで……ありがとうございました」と告げ、“バースディ”“白痴”の連投で終了。すっかり骨抜きにされてしまった。(林敦子)
THE NOVEMBERS のROCK IN JAPAN FES.クイックレポートアーカイブ