1日の内で最も暑い時間帯となり、ますます夏フェスらしいムード満点となってきたSOUND OF FORESTにTHE NOVEMBERSが登場! SEに包まれながら登場した小林祐介(Vo & G)、ケンゴマツモト(G)、高松浩史(B)、吉木諒祐(Dr)が、静かに準備を進める。そして、小林が片腕を挙げたのを合図にスタートした“dogma”。この曲によって、一気に場の空気が変わった。轟音、瑞々しい旋律、咆哮、囁くような歌声、不敵なビートが絶妙に絡み合い、フィールド全体がヒリヒリしたムードで包まれていく。集まったお客さんたちは飛び跳ねたり、手拍子をするわけではなく、ほんの微かに身体を揺らしつつ、ひたすら集中してステージから届けられるサウンドに耳を傾ける。興奮を露わにするのではなく、心の震えを皆が胸の内で噛み締めている……静かではあるが、何やら只事ではない昂揚感が広がっているのを感じるオープニングであった。
その後も、“primal”“Harem”“永遠の複製”……曲が次々と披露される毎に、集中力が果てしなく研ぎ澄まされるような感覚となるサウンドが続く。そんなムードが変化したのが“dysphoria”。力強いドラムのビート、ギターのカッティングからスタートし、ノイジーなサウンドが高鳴ると、徐々に開放的なムードが広がる。疾走感溢れるサウンドが駆け抜けていった“こわれる”。そして、ラストを飾った“彼岸で散る青”では、雄々しく躍動するサウンドに合わせて人々が踊り出した。
「ここに立てたこと、新たな出会いが出来たことを感謝します。楽しい1日を!」と小林が挨拶をして、ライブは終了。その時、周囲のお客さんたちが、まるで夢から覚めたばかりのような表情を浮かべていたのが印象的だった。ひたちなかに異界への扉を開いたTHE NOVEMBERS……そんな風に表現したくなるくらいに圧倒的な演奏を聴かせてくれた。(田中大)
この3日間の模様を凝縮した「ROCKIN'ON JAPAN増刊号 ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2013」は9月上旬発売予定です! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。
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