Nothing’s Carved In Stone | ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2013

刻一刻と暑さを増すLAKE STAGEを、Nothing's Carved In Stoneの4人を迎えるオーディエンスの熱量がさらにこの空間を熱くする。そして“Spirit Inspiration”のソリッドでダイナミックなビートが走り出した瞬間、会場は一気にでっかい高気圧のような高揚感で埋め尽くされていく。大喜多崇規のエネルギッシュなドラミングが大地を揺らし、さっきのLOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS αにも飛び入りしていたひなっちこと日向秀和の極太ベース・サウンドが空気を震わせ、生形真一の鋭利で強靭なギター・プレイが熱気を切り裂いて飛び、村松拓の歌がダイレクトに聴く者すべてのエモーションをブーストしていく――どこまでも高純度かつハイパーにサウンドと歌を磨き上げ鍛え上げた結果、途方もない輝度と剛性を誇るロックの風景へと到達したNCISの「今」の凄味が、途方もないスケールでこの祝祭空間と響き合っている。

そのまま“November 15th”、さらに最新アルバム『REVOLT』にも収録のシングル曲“Out of Control”で満場のLAKE STAGEを熱く踊らせていく。「すごい集まってんね。ありがとうございます！　最後まで楽しんでいってもらえたら嬉しいです！」と語りかける村松の表情からも、今この瞬間への手応えが伝わってくる。シングル『Out of Control』のカップリング曲“Raining Ash”に続いては“Pride”。《誰にも奪えやしない　同じ景色にひそんだプライド　いつかきっと　叶う　今も見える希望 fortitude》……村松の揺るぎない歌が、タイトな音の1つ1つと共鳴し合いながら、この場所に集まった者すべての凱歌のように高らかに、勇壮に響いた。

続けてもう1曲披露した日本語詞の楽曲“村雨の中で”の硬質なビートが、強烈なドライヴ感をもってオーディエンスを揺さぶったところに、さらに畳み掛けた“Around the Clock”のアンサンブルの爆発力。レッドゾーン越えの熱狂空間と化したLAKE STAGEを「もっともっと熱くなれんだろ、ROCK IN JAPAN！　このままじゃ終わりがないんだよ！」と煽っていく村松。最後はNCISとして最初に作った楽曲＝“Isolation”。「クラップ・ユア・ハンズ！」の村松のコールから、あたり一面熱烈なクラップが広がり、逞しい4人のサウンドが圧巻のクライマックスを描き出して終了。NCISの「原点」と「今」が鮮やかに、力強く咲き乱れた、最高のステージだった。（高橋智樹）