これまでROCK IN JAPAN FESTIVALにはすべて「LOW IQ 01 & MASTER LOW」としての出演(MASTER LOW名義を含む)だった、稀代のパンク・エンターテイナー=いっちゃんことLOW IQ 01、今回は「LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS α」として登場。3ピース編成の「LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS」とも違う「α」って一体?という期待を胸にLAKE STAGEに集まった我々の前に現れたのは……恒岡章(Dr/Hi-STANDARD)、潮田雄一(G/QUATTRO)、浜田将充(B/QUATTRO)、NARI(Sax・Flu)、TGMX(G・Tp/FRONTIER BACKYARD)という錚々たるラインナップ。そこへいっちゃん本人が登場、ハットを取って悠然と一礼。大歓声が上がる。
風のように涼やかに響く“Rules”のトリプル・ギターがサビで一気に爆発し、会場の熱気を天井知らずに煽っていく――というところで、なんと盟友・TOSHI-LOW(BRAHMAN、OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND)が飛び入りヴォーカルとして登場。そんなゲストも含めてLAKE STAGEをあっさりと沸点越えのパンクの楽園へ叩きこんでみせる。「LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS α、あ・ば・れ・ろーぃ!」のコールから“WAY IT IS”でオーディエンスをでっかく踊らせ、さらに“Swear”“Little Giant”とキラー・チューンを連射。「カモン!」といっちゃんが煽ればあたり一面クラップの海と化し、むせ返るほどの熱狂が満ちあふれていく。「αってこういうことよ、わかる?」と語りかけるいっちゃんも満足気だ。
「今日はこういう感じなんで、珍しいヴァージョンやっちゃっていい?」と、ここからはセルフ・アレンジ・アルバム『Meister Law』でのリアレンジ・ヴァージョンを披露。アコギとバンジョーをフィーチャーしたカントリー・ロックに生まれ変わった“Makin' Magic”、NARIのピッコロが多幸感たっぷりに軽快に響く“Not Alone”で一面ダンス天国に!と、ここで「次、誰? ナッシングス? 即興でひなっち弾ける?」と、なんと袖にいたひなっちこと日向秀和(ストレイテナー、Nothing's Carved In Stone)に呼びかけると、ひなっちが急遽オン・ステージ。ひなっちが超絶ベース・テクを披露→触発された元ベーシスト・いっちゃんもバカテクで対抗、という一幕から、浜田がギターにコンバートした7人編成で“So Easy”をパワフル&ピースフルに響かせていく。ラストはいっちゃんがサックスを構え、NARI/TGMX/いっちゃんのブラス・セクションが“FIREWORKS”を晴れやかにぶっ放せば、LAKE STAGE一面にタオルがぶん回る。「俺、音楽やっててよかった! じゃあね!」という去り際のいっちゃんの言葉が、このひとときの祝祭感を何よりリアルに象徴していた。(高橋智樹)
この3日間の模様を凝縮した「ROCKIN'ON JAPAN増刊号 ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2013」は9月上旬発売予定です! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。
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