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会場内の6つのステージのうち最も朝が早く、最も夜遅くまで音の止まることのないDJ BOOTHには、すでに朝早くから熱心なお客さんがたくさん集まっていた。昨日とはうって変って朝から気温はぐんぐん上がっていく。そんななか前田博章(puke!)、遠藤孝行(FREAK AFFAIR)それぞれのDJが盤石のプレイで会場のお客さんを汗だくになるまで踊らせ、本日のDJ BOOTHが開幕。ライヴアクトの一発目はハウスエレクトロ系シンガーmicca(ミッカ)と、イギリス出身のサウンドプロデューサーJJ(ジェイジェイ)ことJames De Barradoによる男女2人組ユニットELIXIAが登場した。都内のクラブを中心に精力的にライヴ活動を行っている彼らだが、出演発表をうけて一体何者?とググッてみても、それほど多くの情報を得られなかったと思う。まだまだ多くの人に知られる存在ではない彼らだが、クラブシーンのみならずより広く音楽ファンに届いてほしい存在だ。

まずステージに姿を現したのはJJ。屈強な2人のダンサーがそれに続くと、「ROCK IN JAPAN! Are You Ready?」という声に誘われて、miccaの清涼感のある歌声から“Don't Go Home Alone”が始まった。アディダスの大きなロゴをあしらった白いチュニックTシャツにショートパンツ、キャップというスタイルのmiccaがいきなりダンサーをかしずかせてセクシーに歌う姿は、たしかにクラブ界隈を根城にするイケイケな雰囲気があるものの、その歌はとても親しみやすい。ステージには「elixiA」の文字が表示され、「声聞かせて!」「ここDJ BOOTHは踊るところ!」とmiccaがあおると、おそらく初めてELIXIAを見るお客さんも多いであろう会場も一体となって踊りだす。続いてゴリゴリのダンスチューン“All In”。強いビートに自然と腰で反応していく。エレクトロなサウンドに耳になじむメロディと、そして何より聞き取りやすい日本語の歌詞がしっかりと届く。「カモン! DJ~!」とクールに叫んだあとはクリアなハイトーンが響きわたる“Feels Like Nowhere”へ。ステージの端から端まで移動しながら、お客さんとコミュニケーションを大切にしながらライヴを作り上げる姿も印象的だった。そして「ELIXIA、名前を憶えてくださいね」とあいさつをすると、この7月にiTunesでの配信が開始された最新ナンバー“Hope Motion”。力強くも情感豊かな歌声とパンチの効いたトラックが絡み合い、ヒートアップする会場にmiccaはコール&レスポンスを要求。お客さんも全力でそれに応えると、「みんな優しいね、ありがとう」と、にっこり見せた笑顔が満足げだった。様々なタイプの楽曲が織り交ぜながら、ダンサーたちの見せるパフォーマンスも、クラブ直系のクールなものから時に少しコミカルな要素、キュートな一面もあったりと表情が豊かだ。ラストナンバー“Fields of Joy”ではmiccaはステージに腰をおろして、客席に語りかけるように、メッセージをしっかりと届けるように歌う場面もあった。そこには踊ることを基盤とするクラブミュージックといえど、その場限りの享楽に溺れるのではなく、何か心に残るものがあってほしいという願いもあったのかもしれない。そんな人間くさいコミュニケーションのとり方がELIXIAのライヴの魅力なのだと思った。(秦理絵)





この3日間の模様を凝縮した「ROCKIN'ON JAPAN増刊号 ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2013」は9月上旬発売予定です! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。
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【ELIXIA】過去の ROCK IN JAPAN FESTIVAL クイックレポート