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『RO69JACK』で優勝し、初めてROCK IN JAPAN FES.のステージを踏んだのが2009年。昨年にはメジャー・デビューも果たした地元・茨城出身の真空ホロウが、PARK STAGEに登場だ。入念なサウンド・チェックを経て明らかに気合い十分、「熱中症対策は……万全でございますか?(松本明人・Vo/G)」「楽しみにしてた時間がやってきたぜえー!! 真空ホロウです、よろしくお願いします!(村田智史・Ba)」とオーディエンスに声を掛け、そのまま本編をスタートさせてしまう。オープニングは、まさに2009年に「RO69JACK」で優勝を勝ちとった曲、“被害妄想と自己暗示による不快感”だ。松本のコズミックで煌めくようなギター・フレーズと、美しくも不穏にヴィブラートする歌声が伝う。続く“週末スクランブル”ではこの3ピースの重量感たっぷりな爆裂ロック・グルーヴが迫り、触れる者の肌をビリビリと震わせるようだ。

「この時間を楽しみにしていたよ! この場所で音楽がやれて、俺たちもめちゃめちゃ嬉しいよおおぉぉおおああ!! このステージに魂叩き込んでいくんで、みんなも、いや一人一人、思いっきりブチ上がっていこうぜええー!!」と、相変わらず笑顔まみれで高揚感丸出しの村田が煽り文句を投げ掛け、突き上げるようなバンド・グルーヴの“闇に踊れ”、一転して幻想的なイントロからロマンチックで危うい思いを歌い上げる“4月某日”と、緩急自在の表現力を見せつけてくれる。「しんみりさせちゃってごめんなさい……PARK STAGE、盛り上がる準備は出来てますか?(松本)」って、がっちりとその世界観に惹き込んでおいて謝られても困るが、再び大貫朋也(Dr)のビートが走り出す“シンデレラコンプレックス”、そして“Balance cont(r)ol”のダンス・ロックにオーディエンスの四肢が跳ね上がる。しなやかで強烈なボトムといい、どこまでも広がりゆくようなギター・サウンドといい、勢いに乗ると本当に手がつけられないバンドだ。

村田は、『RO69 JACK 2009』からの5年連続出場を振り返って感謝の言葉を伝えながら、「去年は俺、終わった後にヘトヘトになって帰って、だから今年は走ったりしてもう1回ぐらいライヴできるようにしようと思ったんだけど、やっぱりムリだった(笑)。いつも限界ギリギリだー」と最後のナンバー“アナフィラキシーショック”に向かっていった。まさに余力をすべて使い果たすような、歪んだ大音量サウンドを撒き散らす大熱演である。ノイズの残響が衝撃の度合いを物語る、凄まじいステージであった。(小池宏和)





この3日間の模様を凝縮した「ROCKIN'ON JAPAN増刊号 ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2013」は9月上旬発売予定です! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。
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【真空ホロウ】過去の ROCK IN JAPAN FESTIVAL クイックレポート