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開演早々、青空を切り裂くように響き渡る“サイレン”の鋭利な歌とビート! 茨城出身であり、新人アーティスト・コンテスト=「RO69JACK」出身でもある彼らにとってまさにホームグラウンドと呼ぶべき『ROCK IN JAPAN FES.』の、ここSEASIDE STAGEに、今年も真空ホロウのサウンドが熱く鳴り響いていく。「真空ホロウへようこそ!」と挨拶を挟んで、“闇に踊れ”で一面のクラップを巻き起こしてみせる3人。背徳の世界に墜ちていく瞬間のスリルと悦楽をそのままメロディとコードワークに置き換えたような彼らの楽曲が、そして松本明人(G・Vo)の歌声が、熱く肌に焼きつくようなアグレッシブなギター・ロック・サウンドとともに広がっていく。歌詞をアレンジして「ひたちなかは僕らのもの!」と歌いかけてみせれば、SEASIDE STAGEに詰めかけたオーディエンスのハートは次々と誘爆状態に陥っていく。5月に限定シングルとしてリリースした『Slow and steady』収録の“%(パーセンテージ)”が、そんな高揚感をさらに高みへと煽っていく。
「みなさん暑いでしょ? 大丈夫? 自分を大事にしなきゃ。今がいちばん暑い時間だから!」と村田智史(B)も言う通り、会場はむせ返るほどの熱気であふれ返っている。報われぬ者の焦燥感と違和感をハード・バラードに結晶させた“誰も知らない”の後、「俺たちROCK IN JAPANから少しずつ環境が変わってきて……心から感謝してます。だから、何かROCK IN JAPANでいいことができないか?って思ってて。ここで言いたかったの!」と村田。そして、「10月末、エピックレコードより、真空ホロウ、メジャー・デビューします!」の言葉に、驚きと歓声が巻き起こる! そんな空気感を“Highway My way”のドライブ感に直結し、さらに『Slow and steady』からもう1曲披露した“シンデレラコンプレックス”の爆発力へと変えていく――彼らの「今」と「これから」を讃えるように、熱いクラップがひときわ強く響いていた。(高橋智樹)