昨年、RO69のWEBコンテスト「RO69JACK」で優勝し、ROCK IN JAPAN FES.出演を勝ち取った真空ホロウ。2年連続となる出場は、メンバー自らの前説付き。「日射病や熱中症にくれぐれもご注意ください。なお、真空ホロウへの熱中は体によいので、ぜひ。では、はり切ってどうぞ!」と集まったオーディエンスを笑わせると、いよいよ3人がステージに登場する。3人が顔をあわせて確認すると、なんと一発目から新曲を披露。これがまた、バンド屈指にかっこいい曲なのだ。3ピースの骨太なリズムと印象的なギター・フレーズが交錯し、重力に絡み取られず飛翔するようなキラーチューン。詩世界を含め、パッケージとしてリリースされると話題を呼ぶこと必至の1曲だ。"ナサム・コニロム"を挟んで再び披露した新曲も、静と動とをダイナミックに行き来するナンバー。とにかく今の彼らは、前に進むことに夢中のようだ。ソリッドながらも聴き手をぐんぐん曲の中に巻き込んでいくスケール感を持ったバンド・サウンドと、ちょっぴり天然なMCとのギャップもなんとも言えないバンドの味になっている。「ようこそWING TENTへ! みんな今日はありがとう。僕は茨城県出身なんですけど、今日は僕がこの会場で一番訛ってみせます!」と村田智史(ベース)がオーディエンスを盛り上げると、そのまま"サイレン""被害妄想と自己暗示による不快感"へと突入。ヒリヒリとした感情を帯びた切迫感に満ちたバンドサウンドと、松本明人(ギター&ヴォーカル)の求心力を持ったヴォーカルに、次々と引き寄せられるようにしてWING TENTにオーディエンスが集まってくる。最後に深々とお辞儀してステージを去った真空ホロウ。2年連続となる当フェスへの出演は、彼らにとって大きな飛躍のステージとなったはずだ。(大山貴弘)
真空ホロウ のROCK IN JAPAN FES.クイックレポートアーカイブ