サウンド・チェックの段階から、しのっぴこと渡邊忍がジェット“アー・ユー・ゴナ・ビー・マイ・ガール？”のギター・リフを弾きまくってオーディエンスを焚きつけてしまっていたASPARAGUS。オープニング・ナンバーの“FAR AWAY”から、爽快にしてとことんアクロバティックな３ピースのバンド・アンサンブルが炸裂する。途中、祭囃子のような一体型リフが挟み込まれるなど、ステージ上の出来事には一瞬たりとも目が離せない。思わず暑さを忘れてしまうほどである。

“WITH THE WIND”ではしのっぴ独特のラテン・フレイヴァーを漂わせるギター・フレーズと歌声が瑞々しく弾け、原と一瀬の超強力なリズム隊がハーモニー・ボーカルを加えつつ支える。そしてロッキンな“Diddy-Bop”を経て、しのっぴが挨拶する。「出ちゃったよ。何もリリースしてないのに！　ラッキー・フェスだね。えー、インディーズ界のPerfumeと呼ばれております。いいの!?　やってるよあっちで！　まあ、こっちのPerfumeを観に来てくれてありがとうございます」。演奏もMCもキレッキレである。

そして来た！　甘美なボーカルのフックが圧巻のコンビネーションに踊る必殺ナンバー“SILLY THING”だ。なんたるモテ要素満載な楽曲なんでしょう。そして“I FLY”から“JERK”とアグレッシヴなナンバーを披露する攻撃的な表情のASPARAGUSもきっちり見せて、そして最後は怒涛のエモーショナル・ダンス・ロック“FALLIN’ DOWN”へ。踊る踊る、オーディエンスがばんばか踊って跳ねている。型に囚われずあらゆる型を越える、やはり恐るべしASPARAGUS。そういうステージであった。（小池宏和）