メニュー

最終日、SOUND OF FORESTのトップバッターは、今年結成10周年、ファン待望の4年ぶりとなるアルバム『PARAGRAPH』もリリースしたASPARAGUS。森のなかのステージも、この時間帯は灼熱。じりじりと太陽が照りつけるなか、彼ら3人を盛大に迎え入れようと、観客たちは手拍子をし、バンドタオルを頭上高く掲げて、歓声をあげた。「ASPARAGUSです!」。渡邊忍(Vo・G)の一声で、ステージは、最新アルバムを幕あけるファスト・チューン“Analog Signal Processing”でキックオフ。一瀬正和(Dr)によるタイトなビートに、観客が踊り、ジャンプし、灼熱のSOUND OF FORESTがさらに沸騰していく。そして間髪入れずに、これもアルバムからの曲“BEAT UP”。キャッチーなメロディが響きわたる。渡邊の歌声に、原直央(B)のコーラスが加わって、極上のハーモニーを生みだしていく。そこに“JERK”をお見舞い。キレッキレのビートがスコーンと空へ駆けあがっていくと、会場は一斉にジャンプ! 観客のあいだからは土煙がもわもわとあがった。

「こんばんは、ASPARAGUSです! こんばんは、じゃなかった」と、一瀬。少々ギターの機材トラブルがあったようで、調整をしながら改めて渡邊がいつもの名調子を飛ばす。 「ASPARAGUSが、またこの森に、生えてきましたよー。いやまた今年も生えれるとはね? しかもそのね、生えた僕らを観察しに、みんな野外活動できてもらって、ほんとありがとうございます。僕らは、こういう宴系? 宴っていうのは奇跡だと思ってて。今日このステージを選んで来てくれているのもそうだし、3日間のなかで僕らを選んでくれてるとかね。いいやつ、いいやつ」。ギターをエレキからアコースティックに持ち替えると、「しっとりした曲やると思うでしょ? やらないの。ちょっと踊れちゃうよね、この曲」と言って、“THE UNSPOKEN WORDS”へ。心地好くスウィングする、ライド感たっぷりのリズムにギター・リフで踊らせ、続く曲“I’m off now”もアコースティック・ギターで、パワフルなポップ・チューンを響かせた。再び機材トラブルはあったものの、そこは10年選手――この間を繋げとばかりに、一瀬が原に川柳しろとかムチャ振りしていたが、「ASPARAGUSはこれくらいじゃめげない」(渡邊)、「めげない、機材車盗まれてるからね」(原)と自虐ネタを盛り込み観客をしっかり湧かせていく。さすが(?)です。

ラストはキラーチューン2連発“SILLY THING”、“FALLIN' DOWN”! ブライトなメロディが太陽のもとでより輝いて、スカッと爽快な汗をかかせてくれたアスパラ。トップバッターとしてガツンときめてくれた。(吉羽さおり)