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夕暮れ時のDJ BOOTHが異様な空気に包まれた。古川未鈴、相沢梨紗、夢眠ねむ、成瀬瑛美、最上もが、藤咲彩音からなり、秋葉原ディアステージを拠点に活動する6人組アイドル、でんぱ組.incがROCK IN JAPAN FESTIVALに初参戦。アイドルの枠を超えたクレイジーでぶっ飛んだステージをやってのけ、「あれは一体何だったのだ?」、でんぱ組のステージを見終えた後のDJ BOOTHはそんな衝撃だけが残された。

まずはステージに現れた6人がフォーメーションを組んで始まった“Future Diver”で成瀬瑛美が「いくぞー!」と叫ぶと、初っ端からボルテージはMAX。この日のでんぱ組はシングル曲を中心とした最強のセットリストを用意して乗り込んできた。そのまま“W.W.D”へ。6人がそれぞれひきこもり、いじめ、ネット廃人といった暗い過去を歌詞で暴露しながら、それを打ち砕くように明るく突き抜けていくナンバー。本来アイドルとしてさらす必要のない暗い部分をあえてオープンにすることで、でんぱ組は逆にアイドルとしての輝きを増していく。歌い終えた6人がずいぶん長い時間、深々と頭を下げる姿が印象的だった。

続くMCでは古川未鈴が「来たぜ! ロック・イン・ジャパンー!」と高らかに叫び、藤咲彩音も「みんな最後まで楽しんでー!」と元気に煽る。「萌えキュンソングを世界にお届け、でんぱ組.incです!」のあいさつもばっちりだ。

その後も7月に配信リリースされた新曲“ノットボッチ...夏”では歌詞のストーリーに沿って小芝居のような動きでコロコロと表情を変える6人がいたり、“でんでんぱっしょん”では新体操のリボンを使ったダンスを披露したり、“ORANGE RIUM”では会場をオレンジ一色に染めてゆったり歌を聞かせたりと、つっこみどころも見どころも満載のステージを展開。ラストはWiennersの玉屋2060%が楽曲を提供したファストポップ(前述の“でんでんぱっしょん”もだが)“でんぱれーどJAPAN”で狂ったように走り抜け、まさに唯一無二のステージが幕を閉じた。

歪な6人の心がでんぱ組.incという居場所を見つけ、それぞれの欠落を抱えながらもそれを武器に闘っていく。そんな6人の覚悟を感じるステージだった。(秦理絵)





この3日間の模様を凝縮した「ROCKIN'ON JAPAN増刊号 ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2013」は9月上旬発売予定です! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。
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【でんぱ組.inc】過去の ROCK IN JAPAN FESTIVAL クイックレポート