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昨年の秋から約半年の間、津野米咲(Gt/Pf/Cho)の体調不良による活動休止期間があったものの、めでたくシーン復帰を果たし今回のPARK STAGEに姿を見せてくれた赤い公園。ハッとさせられるような4人の純白の衣装にも、なにか嬉しさが込み上げてくる。“2億4千万の瞳”のSEに乗って「ジャパーン! OK!! かかってこいやーっ!!」って、昨年のSEASIDE STAGE登場時と同じパターンだが、幾つかの意味でウェルカム・バックなのである。さっそく不協和音を撒き散らす不穏モード全開の“のぞき穴”から、スリリングかつ予測不可能な展開にオーディエンスも必死で食らいついて両の手を打ち鳴らす“もんだな”と、爽やかなPARK STAGEの空気を瞬く間に赤い公園の色に塗り替えていくさまが痛快だ。

そしてダンサブルな高揚感を孕みながらの“はてな”を経て、この7月にリリースされたシングルからは、佐藤千明(Vo/Key)の艶かしいヴォーカルがフィールド一面のスウェイを誘う“今更”と、右肩上がりにキャッチーな興奮(あくまでも彼女たちならではのやり方だが)を提供してくれる。MCの場面では、感謝の言葉を投げ掛けていたかと思えば「女の子たちも、いい感じにメイクが落ちてブサイクだよー」なんて歯に衣着せぬ台詞も飛び出し、挑発的で混沌とした時間を生み出す彼女たちの術中にまんまとはまってしまいそうだ。そして、ツカミのハーモニー・ヴォーカルの吸引力が更に強力になった“塊”から“娘”へと、とことんダークだがどこかコミカルな魅力も振りまいてパフォーマンスが続く。

ステージの後半は、唐突に歌川菜穂(Dr/Cho)のビートが猛スピードで打ち鳴らされるパンキッシュな“カウンター”で「回れー!」と要求。「え、何、もう一回やるの!?」とリピート演奏まで繰り広げてしまう奔放さが最高だ。ひときわ小さな体躯で驚くほどパワフルなベースを響かせていた藤本ひかり(Ba)は「うちに帰るまでがフェスなんで、気をつけて帰ってください」とパフォーマンスに見合わぬ健全な言葉を投げ掛け、美しい轟音に情感を滲ませる“ふやける”によって、短いステージでありながらも万感のフィナーレを見せてくれたのだった。(小池宏和)




この3日間の模様を凝縮した「ROCKIN'ON JAPAN増刊号 ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2013」は9月上旬発売予定です! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。
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【赤い公園】過去の ROCK IN JAPAN FESTIVAL クイックレポート