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じりじりと暑さが増してきた2日目ROCK IN JAPAN FESTIVALの昼下がり。WING TENTには、一風変わった名前の4人組が登場――「RO69JACK 2012」優勝バンドとして昨年もこのステージに立った、さよなら、また今度ねだ。SEに乗ってドラムス・渋谷はかえるの被り物で、グラサン&ジャケット姿のボーカル・菅原は珍妙なダンスで現れ、「やろうか! やろうか!? 暑いね! お客さんいっぱいいて嬉しいなあ。よかったら聴いてってください!」と早口でまくし立ててオープニング曲“踏切チック”へ。これが、よく言えばローファイ、もっと言ってしまえば決して上手くはない演奏なんだけど、やたらテンションとポップネスの高い、天性の反射神経とバランス感覚で疾走するアンサンブルには妙に気持ちを高揚させるものがあって、思わず身体を揺らさずにはいられない。

続く焦燥感に満ちた“瑠璃色、息白く”でさらにギアを上げ、WINGに集った大勢のオーディエンスを丸ごと熱狂させる。中盤には「アルバム(『P.S.メモリーカード』)出すんですよ、9月に。いい人たちに囲まれて、すごいいいの作っちゃったからみんな買って聴いてね! そん中から一曲……」といち早く新曲“輝くサラダ”を披露して沸かせる一方、「楽しいな! 楽しいな!」と子どものようにはしゃぎ、「昨日ZAZEN BOYSを見に行ったんですけど、すごいMCが面白くて。僕もやっていいですか?」と大先輩・向井秀徳のMCをそのまま真似るなど、菅原の天衣無縫なパフォーマンスからも目が離せない。危なっかしいけど、なぜか憎めない愛くるしいキャラクターなのだ。

曲を追うごとに膨れ上がるWINGの人口密度は、如実にさよ今への期待値の高さを物語っているようだった。リハーサルでは「緊張する!」(ベース・佐伯)と連呼していた彼らだが、満場のオーディエンスにも一切物怖じしない、「フェスの主役は俺たちだ!」と言わんばかりのやりたい放題なステージ。さらに、去り際には「全員愛してるバイバーイ!」と言い放ってステージが終了。大物なのか、はたまた只の天然なのか……前者であることは、きっと彼ら自身が証明してくれるはず。(奥村明裕)





この3日間の模様を凝縮した「ROCKIN'ON JAPAN増刊号 ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2013」は9月上旬発売予定です! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。
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【さよなら、また今度ね】過去の ROCK IN JAPAN FESTIVAL クイックレポート