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リハのマイクチェックで「奥田民生――!」とシャウトし、早くもPARK STAGEに集まったオーディエンスの笑いを誘う畠山(Vo/G)。そして、SEはなんとサザンオールスターズ“勝手にシンドバッド”!  サポート・メンバーのケイゾー(B) 、佐藤(Gt&Cho)とともに意気揚々とステージに現れる畠山と関口(Dr)。ふと見渡すと目にとまるのは畠山の上下キラッキラのスパンコール仕様(!)のユニホームだ。これにはオーディエンスも驚きを隠せない様子。そして始まったのは“僕はスーパーマン”。冷静にフロアを見据えながら、シニカルにニヒリスティックにプレイしていく。続けざまに“CANのジャケットのモンスターみたいのが現れて世界壊しちゃえばいい”へと突入し、矢継ぎ早に繰り出されるリリックにオーディエンスも拳を突き上げながら踊りまくる。畠山のアルペジオから始まった“シスター”で、つかの間のクールダウンがあったものの、そこから一転“Check it out! Check it out! Check it out! Check it out!”で、再び砂埃を巻き上げる勢いで狂乱を起こすカオス状態に突入。そして、畠山のMC、第一声は「今日は実に涼しいね。寒くて風邪ひきそうだわ」(!)だ。どこまでも強気に挑発的なアティテュードは相変わらず。さらには、「ザキさん(JAPAN総編集長・山崎)にさー、奥田民生が好きだって言ったのにさー」と真裏のGRASS STAGEで絶賛演奏中の奥田民生を観られないことを愚痴る畠山。なるほど、マイクチェックの時の叫びは奥田民生を見られないことの無念さからきていたのかと納得。その無念さを晴らすべく(?)、9月8日に発売予定の新しいアルバムから新曲“ハッピーアイスクリーム”をプレイ。「知らない人もいるだろうけど、つまらなかったらごめん」となんとも弱気な発言から始まったが、矢継ぎ早に言葉を連ねていくというスタイルは変わらず、ミディアム・テンポで壮大なロック・ナンバーにオーディエンスもじっくりと聴き入る。そして、あっという間に終盤戦へ突入し、再び狂騒を仰ぐように“ゾンゾンゾンビーズ”“イフタム!ヤー!シムシム!”と性急なギターサウンドと奔放なバンド・アンサンブルを繰り出していき、ライブは終了。最後まで、「暑くない! 寒い!」と強気の姿勢は崩さなかったが、ありったけの声を振り絞って歌い叫び、演奏したミイラズが寒いわけがない。(阿部英理子)