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まさしく「夏本番!」といった感じの眩しい太陽光線が降り注ぐ中、バンド・メンバーと共に笑顔で登場したスガ シカオ。彼のステージは“午後のパレード”からスタート。強力にファンキーなサウンドに誘われて、お客さんたちは頭上で夢中にクラップしながらダンス! そして、この曲を皮切りに、スガ シカオは徹底的にファンクを連発していったのだ。淫靡で、何処か鬱屈したエネルギーの迸りを感じる“19才”。ネットリ濃厚にうねるノリに巻き込まれ、聴きながら腰をクネらさずにはいられなかった“Party People”。佳境に差し掛かったところで演奏を一旦ストップし、「先日お誕生日を迎えまして。これからもファンク道を突き進もうと思っています!」とスガ シカオが宣言した“俺たちファンクファイヤー”。エンディング間際では「35歳になりましたので(とサバを読みつつ、バンド・メンバーのコーラスで《45歳~》と思いっきりバラされていた……)みなさんの35回キッカリのお手を拝借」というリクエストがあり、皆で35回クラップ! そして、ファンク・コーナーを締めくくったのは“コノユビトマレ”。フィールド全体でお客さんたちの掲げた腕が激しく揺れる様が壮観だった。
「今年は震災があって。俺らも音楽で出来ることはないかなと。音楽をやる意味をいろいろ考えちゃった。そんな中、ラヴ・バラードを集めたアルバムを出すことになりました。その中から1曲」。聴かせてくれたのは新曲“コーヒー”。スガ シカオの魅力的な声を通じて、歌詞で描かれている情景がありありと浮かんでくる美しい曲だった。踊りまくったファンク・コーナーとは一転し、じっくりと歌声に聴き入っていたお客さんたち。そして、ラストに披露されたのは“Progress”。挫折を乗り越えてまた一歩前へ進む意思をこの曲は歌っている。込められているそのメッセージへの「賛成!」という気持ちを伝えるように、演奏の終了間際にお客さんたちの間から拍手が起こっていたのが印象的だった。(田中大)