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ギター、ベース、ドラム、キーボード、コーラス、さらにはホーンセクションも加わった華やかなバンド編成から、とびっきりギラギラしたサウンドがいきなり熱く噴き出した! そこに鮮やかな赤のズボン・黒地に白い水玉模様の衣装で飛び出したスガ シカオが「ロック・イン・ジャパン! ファンクをやってもいいですか!」と力強く宣言。この言葉通り、とにかくファンクに次ぐファンクのステージとなった。
1曲目“Party People”からネットリと身体をクネらずにはいられないファンク・サウンドがフィールドに向かって届けられた。あまりにもの猛烈なエネルギーに一瞬戸惑ったお客さんもいたのかもしれないが、みるみるうちに猛烈に熱いファンク天国が形成されてゆく。それに刺激されたのか、スガ シカオのヴォルテージも果てしなく上昇! 2曲目“91時91分”では彼自らがステージ中央のモニター・スピーカーの上に乗り、エモーショナルなギター・ソロを弾いたり、ステージ全体を何度も巡りながら大はしゃぎであった。3曲目“俺たちファンクファイヤー”も腰を激しく刺激する濃厚なファンク。「クラップをぴったり40回で止めてよ。ミスるなよ!」という試練を曲中でお客さんに突然与えて盛り上げる。4曲目“コノユビトマレ”は美しいメロディを聴かせるが、やっぱりこれもファンキーなサウンドが冴える……という具合で、4曲目まではほぼノンストップ。ファンク初体験のお客さんも、ファンクで踊る楽しさを全身で知ったに違いない。
切ないメロディをじっくり聴かせるが、やっぱり根底には太いビートが脈打っている5曲目“サヨナラホームラン”。そして、6曲目“19才”では再び熱いグルーヴでお客さんを巻き込み、いよいよクライマックスへ。バンド・メンバーがステージから去り、1人になったスガ シカオが語り始めた。「この出会いを大切にしたいです。これからもよろしく! 最後に弾き語りを」。そしてアコギを爪弾きながら歌われたのは“黄金の月”。ちょうど夕暮れ時のこの時間にこの曲を聴けたのは、本当に贅沢な体験だった。ファンクに告ぐファンクで熱くなりまくった心と身体に、“黄金の月”のしっとりしたメロディは、堪らなく心地よく沁みこんだ。(田中大)