多くのバンドにとってライブハウスは帰ってくる場所だったりするわけだけど、自分たちでライブハウスを作るところから始まっているSEKAI NO OWARIにとって、この11年ぶりのZeppツアーは、改めて世界が狂っているのか、自分たちが狂っているのか、その揺れる天秤が出す答えをどこまでもポップにファンタジックに確かめるための場所の一つ。
ドームにはドームの規格が、スタジアムにはスタジアムの規格が、ライブハウスにはライブハウスの規格があるけれど、結局SEKAI NO OWARIはどの規格にも収まらず、僕らに規格外のまま生きて前に進み続ける勇気をくれる。
ライブハウスの客席との親密な距離感を最大限に活かしつつも、その光と闇を行き来するジェットコースターのような興奮はSEKAI NO OWARIにしか作れない特別な魔法がかかったものだった。(古河晋)