観客を甘く見ていない、とでも言うと「そんなの当たり前だろ」と言われてしまうかもしれない。でも、限られた条件下のライブハウスツアーで毎回新鮮な驚きを届けるには、途方もないアイデアと体力、そして覚悟が必要になる。シンガーズハイは「どうすれば次にもっと驚かせられるか?」を常に自問し、挑戦をやめない。それが彼らの矜持なのだろう。
本編ラスト「Kid」で巻き起こった狂気のような盛り上がり、アンコールを求める声量、あのフロアに渦巻いていた熱気は、これまで体験した中でも間違いなく過去最高で、ステージとフロアがヒリヒリとした戦いを繰り広げているようだった。
ライブの最後には、ミニアルバム『HeartBreak』が7月末にリリースされることと、それに伴う自身最大規模のワンマンツアーの開催が発表された。
いま、ロックシーンの最前線に立つシンガーズハイ。
フェスで彼らを知った人も、まだ生で体感したことのない人も、ぜひ一度、ライブハウスでこの凄まじい熱気を感じてみてほしい。(古閑英揮)