いよいよ今週末から公開されるスタジオジブリ最新作『コクリコ坂から』。
先日、一足早く観させてもらった。個人的にはかなりきた。
そもそも語るべきポイントが本当にたくさんあるこの映画。
たとえば、少女マンガが原作であるということもそうだし、それをスタジオジブリと宮崎吾朗監督がどう昇華しているのか、あるいは「日本が元気だったころ」という時代設定とそのメッセージは今この現状においてどう映るのか……などなど気になることはたくさんあったんだけど、ぼくはこの映画を本当にピュアな、それこそジブリ史上でも稀に見るほどに明快な恋愛映画として受け取った。
また、その「恋愛描写」のやり方に驚かされた。
照れもなければ、余計なギミックもない。真正面から高校生(というか青春)の機微をとらえ、真正面からセンチメンタリズムを描ききった、とても力強いエンターテインメント映画だと思った。
CUT8月号(7月19日発売です)では、宮崎吾朗監督を直撃し、この気持ちいいポピュラリティについてガッツリと語ってもらっている。
監督の前作『ゲド戦記』での葛藤から、父・宮崎駿への赤裸々な思い、そして、現在地をめぐる肯定性まで、これぞ決定版というテキストになっていると思う。
その実直な言葉は、結果として、リアルな「宮崎駿論」にも「スタジオジブリ論」にもなっている。
たくさんの人に観てほしい映画だし、たくさんの人に読んでほしい特集なんで、ちょっぴり暑苦しいブログになってしまいました。(小柳)
(C)2011 高橋千鶴・佐山哲郎・GNDHDDT