この週末はポリの武道館からAC/DCまで、「これは大事件だー!」みたいなライヴが目白押しだったけど、自分は金曜日にこんなライヴも観ておりました。ヒルクライム。
東京では初のワンマン公演。とはいってもシングルもアルバムもすでに15万枚以上を売っている破格の新人なわけで、キャパ600人前後の渋谷O-WESTは、彼らを間近で観る幸運を掴んだ人たちでムンムンの熱気。機材のトラブルで開場が30分以上押したのだけれど、悪いムードは全然なし。
で、ライヴが始まるとアンコール含めて全20曲。まだツアー中だから詳細は書けないけど、もちろんあの曲もこの曲も取り混ぜつつ、ヒルクライムというふたりのアーティストの世界観を存分にプレゼンする、すごいクオリティのライヴだった。
このブログ読んでる人は、え? ヒルクライムの世界観ってなんなのよ、という人も多いと思うけど、彼らはいわゆる「優しさヒップホップ」「頑張れヒップホップ」とはまったく違うところで戦うアーティストだ。マイク1本と、DJ=トラックメイカーのふたりだけで、ヒップホップを足場にしてどれだけポップなフィールドで勝負ができるのか。
だから、よく言われるように、そのアプローチはKREVAと似ている。
でも、よく見れば彼らとKREVAはぜんぜん違う。
ヒルクライムの楽曲は、いつもメロディの中心に、曇りのない悲しみが滔々と流れている。そしてビートもラップも、全てがそこを目指してなだれ込んでいく。
それは彼らだけのものだし、他のアーティストと比べてどうこう言うのは、あんまり意味がない。僕はそう思います。というか、このライヴを観て、しみじみとそう思いました。
すでに4月28日のニューシングル『大丈夫』もアナウンスされている。
これもいわゆる「大丈夫だよ」と無責任に歌いかけるような曲では、ない。
どういう覚悟をもってすれば、聴き手に「大丈夫だよ」って言えるのか。そういうことまで考えられた1曲です。またJAPANでがっつりインタヴューしたい!(松村)