R.I.P、A・マックイーン/今週末のロンドン


★今週末のUKは、この悲報でもちきりだった。

BBCのニュース番組でも、
マックイーンが16歳で弟子入りしたサヴィル・ロウのチーフ・テイラー氏が出演してインタヴューに答えたり(「チャールズ皇太子のジャケットの裏地に”失礼な”メッセージと共に自分の名前を入れた」という説は、
「あの後、慌てて王室から問題のスーツを取り寄せ入念にチェックしたが、そんな落書きサインはどこにもなかった」ときっぱり否定していたが)、

2000年にマックイーンと結婚式を挙げた男性パートナーの「暴露インタヴュー」が某英タブロイドに掲載されたり、

当初出ていた「自殺」説が、詮索好きな各メディアの手によっていつの間にか「最近亡くなった母親への後追い自殺なんじゃないか?」、
「どうも首吊り自殺だったらしい」説に膨らんでしまっていたり。

ハタから見ても、もうしばらくそっとしておいておげればいいのに、、、と言いたくなるほどの「プライバシー侵害」が大手を振って横行していた。

こうした「超パーソナルな悲劇」に対し、
部外者である我々があれこれ詮索して「あること、無いこと」を無神経に憶測したり、噂を広げたりする権利はハッキリ言ってないと思うし、
大きなショックと悲嘆に暮れているであろうご遺族に対しても、
これ以上ないほど失礼/不謹慎なことだと思う。

なので、事件の背景についてこれ以上は語りたくない。

ただ、
「死」や「暴力」や「宗教」といった超ハードコアな社会テーマを、
ショッキングな手法で「軽薄&表層的なファッション界」に導入し、
世間を覚醒させ、
独自の「美意識/アート」に昇華させていたマックイーン氏のアティチュードは凄く「パンク」だったし、
音楽人種の筆者でさえ深いリスペクトを抱いていた。


安らかに眠ってください、愛すべきアンファン・テリブル。

★そんな氏の「人生」を祝祭する意味で/今日の動画。
http://www.youtube.com/watch?v=Cou04-vOZx8&NR=1
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