BBCが日本人被爆者に謝罪した件について思ったこと


★英BBCが、昨年の12月17日にBBC 1 TVでオンエアされたお笑いクイズ番組=『QI』で、

昨年93歳で亡くなった日本人被爆者=山口つとむさんを取り上げ、
広島と長崎で二重に被爆したことを挙げて、
「世界一、運が悪い男」として笑いのネタに!!!

それを観ていた在英邦人達が日本大使館に通告。

在英日本大使館は今月の7日、抗議の書簡をBBCと製作会社に送った。

というニュースが年明け早々、UK中の在英邦人関連メディアで大問題になっていたのですが。

遂に1月22日、当のBBCから「謝罪」の手紙が届いたという。

BBC英公式サイトにも
「番組で取り上げたネタに関しては、あまりに無神経だった。
当局は、
日本人被爆者=山口さん及び山口さんの遺族、そして日本人視聴者達を侮辱するつもりは全くありませんでした。
この番組を作った製作会社とともに、深い謝罪の意を表します」、

という内容の記事が掲載されている。


筆者は残念ながら、12月17日放映の『QI』は観ていないのだが、

★あの超インテリ&リベラルなスティーヴン・フライ(名門ケンブリッジ大卒の英国人俳優/作家/ジャーナリスト/司会者/コメディアン。
ヒュー・ローリー(Dr.Houseの人)やエマ・トンプソンetcとも旧友であり、
『オスカー・ワイルド』や『アリス・イン・ワンダーランド』など映画出演も多い)が、

まさかこんなセンシティヴな話題を笑いのネタにするなんて、、、。
この事実にまず驚愕。
しかもこの人、母方の家系は「ユダヤ系」移民なんですよね。

日本人にとって「原爆被爆者」を笑いのネタにするということは、
ユダヤ系民族にとって「ナチのユダヤ人虐殺&収容所」を笑いのネタにするのと等しい、
ということに気づかないのだろうか?
こんな教養のあるリベラリストがなぜ???

しばし考え込んでしまったわけですが、
英国人は「相手の気持ちや立場を察する」という、
相手に対する配慮・気遣いができない人が多い、ということをふと思い出した。

この点は各人の教養レベル云々関係なしに、欧米人一般に言えることだと思うが、
何に関しても、
「面と向かってはっきり言わないと分ってくれない」場面によく筆者も遭遇する。

渡英当初はそれが原因で英国人と激しい口論になったこともしばしば。

誰もが自分の意見を遠慮なくバンバン言いあい、
その議論の中からお互いの歩み寄り地点を決める、という社会風習なせいか、
日本人のように「こんな子供でも分るようなこと、わざわざ言わなくても分ってくれるだろう、、、」で黙っていると、

英国人は「この人は何も言わないから今のままでいいんだ」と思ってしまうんですな、これが。

この点は例えば銀行がミスを犯して間違った賠償金を請求してきた時も、
へぼエンジニアが家電関連を修理しに来て、その部分は直したものの他の箇所を壊して行ったりした(よくあるんです、これ)ときも同じ。
黙っていると、いつまで待っても対処してくれない。
半年経とうが、1年経とうが、放ったらかし。

なので、英国人&欧米人と接するときは慎み深く黙っていないで、
何でも自分の言いたいことをガンガン言ってやりましょう。

筆者も「速やかに対応しないとうるさいくらい文句を言う客」ということで、
最近は一目おかれるようになりました♪
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