「ビーディ・アイはオアシスと比べてどうか」は語ってよいのか悪いのか


ビーディ・アイをオアシスと比べて語ることはいいことなのか悪いことなのか。というか、やっていいとか悪いとかはそもそも批評においてないわけで、原則から言えばいいも悪いもない。ただ、ときおり見かけるのが、「ビーディ・アイはオアシスと違うのだから、比べるのはどうか」といった意見や、「ビーディ・アイは新人バンドなのだから、オアシスと比べて語るのはどうか」といった意見だ。

このことについては、そもそもリアム・ギャラガー自身がこう言っている(こちら。http://ro69.jp/news/detail/44977)。本人からして、ビーディ・アイのファーストはオアシスのファーストと比べて云々とか、もうもりもり語っているのである。だいたい、オアシスのファースト時のバンド・メンバーより、今のビーディ・アイのメンバーのほうがどれだけ凄いかわかっているのか?と、リアムにしては珍しく分析的に(?)語ってすらいるのである。

また、ぽっと出の新人バンドを、時代を象徴したビッグ・ネーム・バンドと比べるのはどうかといった意見に対しても、ちょっと振り返ってみれば、「オアシスのリアム」がこれまでいったいどれだけの新人バンドをその上から目線の立場から比べ、批評し、ほとんどの場合こき下ろしてきたかは、彼のファンなら嫌と言うほどわかっているはずだ。実際、このニュースの中でも、ヴァクシーンズやブラザーといった、まだ「デビュー・アルバムもリリースしていない新人バンド」をがしがし削っている。

というか、そもそも「新人バンドなんだから」という理由で、そのバンドの評価をロックの歴史と照会することを避け、あるいはいったん保留にしてしまうというのは、まず第一に当の「新人バンド」に対して失礼だと思う。ほとんどの「新人バンド」は、それまでのロックの歴史の「更新」を目的として現れるのだ。ロックは伝統芸能の継承ではない。リアムにしたって、「ビーディ・アイは新人バンドなんだから、オアシスと比べるのはいったんやめておくね」なんて言われたら、マンチェスター・ユナイテッドのサポーターに鞍替えしてしまうくらい激怒すると思うのだけど。

というわけで、それではビーディ・アイはどうだったのか。このブログ続きます。