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    【インタビュー】急成長し続けるダンスボーカルグループ・BUDDiiS。ドラマ『秘密〜THE TOP SECRET〜』主題歌“Iris”に込めた想いと成長を語る

    【インタビュー】急成長し続けるダンスボーカルグループ・BUDDiiS。ドラマ『秘密〜THE TOP SECRET〜』主題歌“Iris”に込めた想いと成長を語る
    初の日本武道館公演を9月に成功させ、過去最大規模のさいたまスーパーアリーナでのワンマンライブで2024年を締めくくった10人組のダンスボーカルグループ・BUDDiiS。実り多い日々を経て、さらに前に進み始めた姿を示すのが、テレビドラマ『秘密〜THE TOP SECRET〜』の主題歌“Iris”だ。楽曲のテーマは、ドラマの世界ともリンクしている「記憶」。抑制したトーンの中にメッセージと感情を宿らせた歌声が、彼らの実力を存分に伝えてくれる。メンバーを代表してFUMINORI、KEVIN、MORRIE、SEIYA、SHOW、FUMIYAが“Iris”に込めた想い、共有し合っているイメージ、パフォーマンスに対する情熱を語ってくれた。

    インタビュー=田中大 撮影=三川キミ


    「記憶」がテーマのドラマなので、そこをすごく考えました。みなさんそれぞれの記憶を投影できるような楽曲になってたらいいなあと思っています(KEVIN)

    ──書き下ろしのドラマ主題歌は初ですよね?

    MORRIE はい。とても嬉しいですね。ドラマをきっかけにBUDDiiSのことも知っていただきたいです。

    SEIYA 僕はアニメもよく観るんですけど、主題歌を聴くと「この曲は、あの時期だ」ってなるんですよ。“Iris”も聴きながらドラマのことを思い出していただけるようになったら嬉しいですね。

    FUMIYA 小っちゃい子も口ずさんじゃうのが主題歌ですから、そこにBUDDiiSの楽曲を選んでいただけたのはとても大きなことですよね。

    SHOW 主題歌に決まったと知ったのが、地方でご飯を食べていた時だったんですよ。「今日はちょっと偉いマネージャーさんがいるなあ」と思って。

    FUMINORI 「ちょっと偉い」って(笑)。あの人、Aさん(マネージャー)は「結構偉い」ですよ。

    SHOW が「珍しくいるなあ」と思って。そしたら、「ドラマ主題歌に決まったよ」と教えてくれたんです。

    FUMIYA Aさんがいると、いつも何かしらあるよね?

    SHOW うん。

    ──AさんはBUDDiiSにとって、幸せなお知らせを運んできてくださる天使?

    SHOW はい(笑)。いらっしゃる時は、嬉しいお知らせを聞けることが多いです。

    FUMIYA 怖さもあるよね?

    KEVIN うん。嬉しいお知らせじゃない可能性もあるから。

    FUMIYA 今のところ、そのケースはないです(笑)。

    FUMINORI “Iris”がドラマを盛り上げられたらいいですね。BUDDiiSを知っていただけるための新しい形でもあるので、そこにもワクワクしています。

    KEVIN ドラマのストーリーや場面に寄り添えたらいいなあと思っています。

    ──作曲と編曲はUTAさんで、歌詞はUTAさんとKEVINさんの共作ですね。

    KEVIN はい。展開するにつれてどんどん意味が深まっていく楽曲なので、ドラマで聴いて気になったみなさんにはぜひフルサイズでも聴いていただきたい。

    ──ドラマのストーリーを踏まえたキーワード、楽曲の方向性のリクエストは、何か先方からいただいていましたか?

    KEVIN お聞きしていたのは、楽曲の雰囲気くらいでしたね。それを踏まえてUTAさんが1コーラスのデモを作ってくださって、僕も作詞で入らせていただいて。

    ──どのようなことを考えながら書いていきました?

    KEVIN 「記憶」がテーマのドラマなので、そこをすごく考えました。目で見たものが人間の記憶になっていきますけど、そうやって脳に残った世界には音がないですし、他の人が知りたくない真実も含まれているんですよね。難しいテーマですけど、聴いてくださるみなさんそれぞれの記憶を投影できるような楽曲になってたらいいなあと思っています。

    ──『秘密〜THE TOP SECRET〜』は未解決事件の真相を追うドラマですが、脳を特殊なMRIスキャナーにかけて生前の記憶を映像化する「MRI捜査」をするんですよね。

    KEVIN そうなんです。そうやって真実を知ることへの葛藤も、歌詞の2番の最初の部分に反映しています。

    ──耳を凝らすと様々な質感や空気感が伝わってきます。

    KEVIN 静かな中で一つひとつの音が研ぎ澄まされているトラックですよね。

    MORRIE 僕、こういう曲がすごく好きなんですよ。レコーディングにも楽しみながら取り組むことができました。

    ──抑制したトーンの歌から始まりますから、トップバッターを務めるのは緊張する楽曲だと思います。

    KEVIN 最初の部分を歌っているのはSHOOTです。歌い出しから世界観を作ってくれていて。

    FUMIYA メンバーのみんなの声の力も感じましたね。振り付けをs**t kingzのshojiさんにお願いしたんですけど、ダンスパフォーマンスもいつものBUDDiiSとはまた別の深みと奥行きがあって。

    ──ラップをするタイプの楽曲とは、歌もダンスも取り組み方が変わるでしょうね。

    FUMIYA そうなんです。僕のパートも完全に歌だったので、たくさん聴き込んでからレコーディングしました。

    SEIYA 僕もいつもはラップパートなんですけど、“Iris”は落ち着いた曲調なので、感情をちゃんと乗せてレコーディングすることを心がけましたね。

    SHOW Aメロの音数が少ないんですよね。いつものレコーディングではリズムが乱れないようにクリックを聴きながら歌うんですけど、この楽曲はトラックが静かなので、「クリックがマイクに入っちゃう」と言われて。だからクリックの音量をなるべく落として、自分の体内時計というか、リズム感を信じて歌いました。

    KEVIN 僕はデモの段階で歌を入れたんですけど、UTAさんの歌を聴いて「完成形だな」と感じていました。本番のレコーディングの時はUTAさんともいろいろお話ししながら歌ったので、最終的には自分の歌として噛み砕いて表現することができたと思います。

    【インタビュー】急成長し続けるダンスボーカルグループ・BUDDiiS。ドラマ『秘密〜THE TOP SECRET〜』主題歌“Iris”に込めた想いと成長を語る

    「あの人が歌ってる」ってわかる人がいるじゃないですか? 「MORRIEの歌声だ」ってわかる特徴があるシンガーになりたい(MORRIE)

    ──“Iris”の制作に深く携わったKEVINさんの視点から見て、メンバーのみなさんの「歌」はいかがですか?

    KEVIN みんな、すごくいい。たとえばMORRIEはちゃんとスタイルがあるので、いつもの彼として歌っているのがいいんですよね。

    MORRIE ありがとう(笑)。

    KEVIN 全員が歌うことによってそれぞれのキャラクターの違いも発揮されて、それが全体のバランスに繋がっています。あと、ダンスをメインにやっているメンバーの歌の成長も感じましたね。2Aの頭はFUMIYAだよね?

    FUMIYA うん。

    KEVIN あそこ緊張するでしょ?

    FUMIYA 怖かったです(笑)。

    KEVIN 気持ちを抑えて歌う楽曲は、コントロールがちゃんとできないといけないんです。そこはBUDDiiSとして活動してきたからこそ成長できているところだと思います。

    ──トラックは音数がかなり絞られていますね。基本はギターとビートですから。

    KEVIN そうなんです。その他の要素に関しては歌のコーラスとかが広げていくような感じですね。アレンジに関してはすべてUTAさんが考えてくださっています。フェイクとかコーラスの入れ方もUTAさんのカラーがあって、「この音なんだ!」とか、いろいろな発見がありました。

    ──音と歌詞の表現が密接に結びついている曲でもあると思います。大切な人を失ってこの世に残された人の心情が、じっくりと描かれていますよね。

    KEVIN そうですね。2番は残された人が記憶を辿っていくことで知りたくない一面を知っていく過程を描いています。そこがドラマと寄り添っているのかな。

    FUMINORI 僕は《あなたの声が星に変わっても》が、すごく好きです。

    KEVIN そこをずっといじってくるんですよ(笑)。

    FUMINORI いじってない(笑)。

    KEVIN ドラマの中に出てくるんですが、MRIで記憶を辿る時って音がなくて、映像だけで真実を見抜くんです。でも、声は記憶や思い出に繋がる重要な要素ですよね。「声は消えてしまったけど輝いている」という意味で《あなたの声が星に変わっても》を書きました。この世に残された側はいくらでも声を出せるし、「あなたを想ってる」と伝えるために叫ぶことができるので、そのあとの《叫ぶよ 会いたい》に繋がっていくんです。

    FUMIYA めっちゃいい!

    KEVIN ありがとう。

    ──声って、人の印象を大きく左右する要素でもありますよね。好きな人は、声も含めて好きになっていることが多いですし。

    FUMIYA おっしゃる通りですね。僕はKEVINくんの声が好き。

    KEVIN 今の声は作ってるんだけどね。

    FUMINORI 普段はこの声じゃないの? 一応、プライベートでの声を出してもらえる?

    KEVIN オハヨウゴザイマス!(ヘリウムガスを吸ったかのような声)。

    全員 (大爆笑)

    FUMINORI ごめんなさい。ずっと仕事モードでいてください(笑)。

    ──(笑)。「この歌が好き」という印象は、「歌っている声が好き」とほぼイコールですよね?

    MORRIE ほんとそうですよね。他のアーティストの曲をカバーしているのに、「あの人が歌ってる」ってわかる人がいるじゃないですか? そういうのに憧れます。僕も「これはMORRIEだ」ってすぐにわかるようになりたい。でも、そういう自分ならではのものって、自分ではなかなかわからないんですよ。

    FUMINORI MORRIEはすぐにわかるよ。TikTokでMORRIEの音源を使ってるのが流れてきても、すぐにわかるから。

    MORRIE そうなんだ? 嬉しい。「MORRIEの歌声だ」ってわかる特徴があるシンガーになりたいです。

    SHOW 声に特徴があるっていいですよね。僕はもともと声にコンプレックスがあったんですけど。

    FUMIYA いい声なのに。

    SHOW 歌うことは好きなんですけど、あんまり聴き返したくないところもあって。この活動を始めてから「いい声だね」と言っていただけることが増えて、やっと「そうなんだ?」と受け止められるようになりました。

    ──BUDDiiSは、メンバーそれぞれの声の魅力もすごくあるグループですよ。

    KEVIN アリガトウゴザイマス!(ヘリウムガスを吸ったかのような声)。

    FUMINORI プライベートの声は、やめなさい(笑)。

    ──(笑)。SEIYAさんは、ご自身の声についてどのように感じていますか?

    SEIYA ラップ以外を歌うようになってから、ファンの方々に「普通の歌声もいいね」と言っていただけるようになって嬉しいですね。

    FUMINORI みんないい声ですよ。スタジオとかでみんなが歌ってるのを聴くと、「いい声に包まれてるな、俺」って感じたりします。

    FUMIYA 僕は、フミくんがいちばんいい声だと思います。

    FUMINORI 喋ってる声は、褒められます。

    KEVIN (FUMINORIは)朗読が得意なので時々動画を投稿してるんですよ。

    FUMINORI 朗読をやってたのは昔です。「涙ってさ、心の中にコップがあって、感情という名の水が溢れた時に……」みたいな誰かの名言を読んでバズらせようとしたんですけど、まあバズらなくて……っていう話はこれくらいにして! “Iris”の話に戻りたいです(笑)。

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    次のページ2番の《消えないで》は、僕的には「亡くなってしまった人の想い」に対する《消えないで》だと思った(FUMIYA)
    FUMIYAの解釈、素敵ですね。正解は出さないほうがいい気がする(笑)(KEVIN)
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