オアシス2度目の来日は
「モーニング・グローリー」のリリースを直前に控えたころだった。
すでにイギリスでは現象と化していて
(本当の現象はその後にさらにあるのだけど)、
日本でもブリット・ポップは空前の洋楽ブームをもたらしていた。
取材は、いまはなき六本木プリンスから彼らを追う、
というものになり、カメラマンとロビーで待っていた。
ロビーには、数人の男子と、たくさんの女の子たちが
いわゆる出待ちをしていた。
しばらくすると、バンドのメンバーが降りてきた。
チェック・アウトということのなのだろう、
空になった部屋を確認にいったホテルのひとが、
忘れ物らしきものを掲げながら、ロビー中に響きわたる声で
叫んでいた。
「こちらのお召し物はどなたさまのものですかー」
忘れ物ならバンドに訊けばいいのに、と思ったのだけど、
ホテルの人がそうしなかった理由はその手に持っているものを見て
すぐにわかった。
それは、明らかに女性ものの下着だった。
いまなら考えられない、いい時代だった。
その下着を、ロビーで待っていた女の子のひとりが
「わたしの!」と言うやいなやひったくっていったのも含めて、
いい時代だった。