新国立競技場の予算見直しで、安保法案とのバランスを取る?

安保法案の採決強行による支持率の低下を怖れた自民党が、人気回復を目論み新国立競技場の予算見直しに乗り出した。
見直しのきっかけは世論の反発。「どの世論調査を見ても7割、8割の人がおかしいと思っているという数字は驚きだった」と官邸幹部は言っているが、国民は官邸が驚いていることに驚いてしまう。
あんな杜撰な計画をおかしいと思わない方がおかしい。ここまで放置していて、今になって急に動きだした官邸や自民党は、かなり怪しい。
評判の悪い政策を強行採決して人気が落ちたから、今度は人気が取れそうな政策をやってみようということなのだろう。
機嫌が悪い子供におやつを与えて懐柔しようとするレベルの動きだ。
どこまで有権者を舐めているのだろう。
二階氏は文科省の役人を激しく叱責したらしいが、今分かったことでもないのに、何で今更そんな芝居がかったことをするのか、不信感が強まるだけだ。
二階氏は「国民の尊い税金だ。看過するわけにはいかない」と言っている。どうして安倍政権周辺の人はこうした過剰な表現を好むのだろう。「尊い税金」と本当に思うなら、予算見直しの機会はもっともっと前にあった。これだけ世論にボコボコされて、長い時間が経過した後に、尊い税金が大切だから動くと言われても、白けるだけだ。
尊いと思っていたら、この事態にその言葉は恥ずかしくて使えないのでは?
安倍政権の言葉は過剰で安易だ。
世論の7割から8割の反発や不信感というのなら安保法案も同じだ。そこに向き合わず、新国立競技場の予算を見直しても世論は動かない。
今朝の朝日新聞。
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