FLAMING LIPSは

FLAMING LIPSは

「たがのはずれた歓喜」だった。ありとあらゆるファンタジーの肯定で、同時に現実への強固なるプロテストだった。

それは、ちょうど2日前のここでエイフェックス・ツインが見せた「たがのはずれた悪意」とまったく逆のベクトルで、それでも同じくらい、こちらの精神を揺さぶった。

ステージ脇でゆらゆらと踊り続ける怪獣の着ぐるみを見て、最初は笑ってたんだけど、ふいに何かがこみ上げてきて、ちょっとだけ泣いてしまった。

(柴那典)