当時のイギリスでは極右のナショナルフロントによる人種差別や移民の迫害が街中で横行していて、パンク、レゲエのアーティスト達がそれに怒って反レイシズムのフリーコンサートを行なって何万人もの人達が集まったのだ。
面白いのは、同じロンドンを拠点にしたパンク/レゲエ(この2つのジャンルは当時は共闘関係だったのだ)のバンドでも、それぞれキャラやスタンスがかなり違うところ。
トム・ロビンソン・バンドはパンクというより良識派の闘うロッカーで、逆にシャム69のファンはかなりの割合でナショナルフロントだったはず。スティール・パルスは在英ジャマイカ人という被差別側で、ザ・クラッシュはいわゆる白人パンクとしての左翼性を最も強く明快に打ち出したバンドだった。
ここにセックス・ピストルズがいないことが、非常に興味深いし、僕には納得できるところだ。
ロックのアクティビズムとはこういうことだ、ということが直接的にわかる映画。
お勧めします。
4月3日(金)よりHTC渋谷、 アップリンク吉祥寺他にて全国順次公開予定。
(山崎洋一郎)
http://whiteriot-movie.com/