音に宿されたギリギリのロマン

TAMTAM『For Bored Dancers』
TAMTAM For Bored Dancers
今回のミニ・アルバムによって、本格的なメジャー・デビューを果たすダブ/レゲエ・バンドのTAMTAM。ここ数年、インディーズ時代の作品や圧巻のライヴ・パフォーマンスが注目を集め続けてきた5人組だ。その鍛え上げられたグルーヴはオーセンティックなサウンドを構築するだけに留まらず、イノヴェイティヴな野心に後押しされて現代ポップ・ミュージックの先端をひた走るような活動を支えている。kuro(Vo・Trumpet)による美麗で抜けの良い歌声は、バンドの急進的アンサンブルをキャッチーな歌モノとして繋ぎ止める役割も担っている。プレ・デビュー盤にも収録されていた“クライマクス”が速いBPMでTAMTAMが生きる景色のスピード感を刻み付け、最終トラックの“トゥナイト”がパーティの一夜の恍惚感に見出す可能性を深い余韻として残すまでの全6曲。個人的に、今作の中でとりわけ惹かれた一曲は、絶対的な諦観の歌が不思議と新たな視界を切り開いてしまう“バイマイフューチャー”だ。TAMTAMの、現実の向こう側を強く見据えたサウンドがあればこそ可能な凄まじい一曲である。(小池宏和)
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