ファンなら買って損なし

スワーヴドライヴァー『アイ・ワズント・ボーン・トゥ・ルーズ・ユー』
発売中
ALBUM
17年ぶりの5作目である。オリジナル・メンバーのアダム・フランクリン(Vo・G)、ジミー・ハートリッジ(G)と、2作目以降のメンバーであるスティーヴ・ジョージ(B)、そして2011年に加入したドラマーの4人。同郷のライドのマーク・ガードナーがゲスト参加しているようだ。

マイブラをはじめ長いブランクのあとに新作を出すバンドが最近多いが、ほぼ例外なく昔のイメージ通りの音を展開する例が多いのは、そもそも違う音楽をやるぐらいなら昔の名前で出す必要もないからで、聴く側だって昔と同じ音を期待する。スワーヴドライヴァーも例外ではなくて、ちゃんと彼らのイメージに沿ったメランコリックなシューゲイズをやってくれている。MC5やストゥージズに触発されてバンドを始めたという出自を思わせるヘヴィ・サイケデリックな曲もあるが、どちらかといえば後期を思わせるリリカルでフェミニンな曲が多い。以前よりだいぶポップというか親しみやすくなっているように聴こえるのは、たぶん彼らがやっていたことが17年たって当たり前のものとして定着したからだろう。再結成から7年。丁寧に作られたことがわかる好盤。(小野島大)