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サウンドギーク6人によるグループ・PAS TASTA。2ndアルバム『GRAND POP』は、最先端を行くサウンドにキタニタツヤやピノキオピーら客演の世界が入り交じるJポップシーンの才能の交差点のようなアルバムだ。TAKU INOUEを招いた瀟洒なつくりのトラックに「改造車」と「ファビュラス」がテーマの柴田聡子の歌が乗る“My Mutant Ride”。バキバキのビートが貫くアイルランド民謡的フレーズに「恐竜」「丁寧な暮らし」「少女漫画」をイメージしたchelmicoのラップが炸裂する“丁寧”など、ルールや定石から解き放たれた音と言葉が聴覚を拡張していく。全曲に「資本主義社会における実存とは？」という問いかけが施されながら、PAS TASTAだけで作られた終曲“THE CAR”で捧げられるのは《もしも、ぜーんぶ追い越して／懐かしくなっても／はやさの中にしか／おれは　いないのだろうな》というポジティブな諦念。快感と違和感を反復横跳びする音に身を委ねた先で、未来へとひた走る人類への「答え」のようなものが待ち構えている。（畑雄介）