前作『ゲット・ユア・ハート・オン!』からは、じつに5年ぶりとなる5枚目のアルバムを完成させたシンプル・プラン。今回、ピエール(Vo)とチャック(Dr)の曲作りは1年半におよび、レコーディング中は、5人で一つ屋根の下で生活をしながら制作をしたという。メンバー曰く、1stの『シンプル・プラン』(2002)と同様の感覚だったそうだが、今回大きく違うのは、ハジけまくっていたファースト・アルバムよりもさらにやりたい音を、やりたいように調理しているところ。フレンドリーな、陽性のメロディやコーラスを軸に据えつつ、パンキッシュな曲から、スケール感のあるアンセム“ブーム!”、レゲエ調の“シンギン・イン・ザ・レイン”、そしてボーイズ・グループ顔負けのポップ・ナンバー“エヴリシング・サックス”、大合唱の“アイ・リフューズ”から都会的なソウル・ポップまでが並ぶ。プロデューサーに迎えたのはハワード・ベンソン。キャッチーな音をとことんキャッチーに、そして贅肉の無いソリッドかつポップな音を得意とするヒットメイカーとのタッグで、はちゃめちゃの楽しさをスタイリッシュにパッケージした。(吉羽さおり)