世代もジャンルも超えて踊らせる

Shiggy.Jr『恋したらベイベー -EP』
発売中
EP
ポップミュージックの魅力と恋したときのドキドキ感、その両方に共通する時代を超えた普遍性を、しっかり「今」の音、言葉として聴かせられる技量。それこそが、Shiggy Jr.を「ポップでポップなバンド」たらしめている所以なのだと思う。前作から7ヶ月ぶりとなる3rdシングル『恋したらベイベー -EP』の表題曲は、その真骨頂と言える仕上がり。EDMの要素を取り入れつつも、70〜80年代ポップスを思わせるキャッチーなメロディとディスコサウンドが融合し、10代から60代までの全世代がもれなく踊らずにはいられないのではないかと思うほど、ポップな魅力に溢れている。洗練されたサウンドプロダクトに、ついシティポップ的という形容詞をつけたくなるが、そのカテゴライズすらもはや意味をなさず、彼らの存在はより広義なポップへと進化を続けている。今作のカップリングには、TVアニメ『リルリルフェアリル〜妖精のドア〜』エンディング曲“Key of life”も収録。アップテンポでドリーミーなサウンドに乗る池田智子(Vo)の声は、軽快さと強さを同時に表現できる希有な才能だと思う。(杉浦美恵)