タフさとクレバーさを強く感じる

go!go!vanillas『平成ペイン』
発売中
SINGLE
ブルース、ロカビリー、カントリーあたりまで入ったルーツミュージック直結の楽曲を、今の日本のギターロックとしてアウトプットするのがgo!go!vanillasだったとしたら、これ「ギターロックとして」で止まらずに「日本のポップスとして」くらいまで行ってないか? 開かれてないか? ライブハウスとか行ったことない人たちまで射程内に入ってないか?と思わせる、新しいシングル『平成ペイン』。曲の構造自体はどこをとってもまんまルーツミュージックだが、その中でもっともハッとするメロディの展開の仕方はどれか、もっとも効果的な上モノの乗せ方はどのタイミングか、もっともグッとくるブリッジを入れる場所はどこか……などなど、すべてが、もういちいちビシッとツボにくる。世代意識に裏打ちされた戦闘宣言である歌詞にも「腹くくったなあ」と思うし、アウトロの仕上がりは笑うほど痛快だし。詞曲とも、ドラムのジェットセイヤによるガレージロックな2曲目も、カントリーのスタンダードのカバーの3曲目もとてもいい。バニラズのステージが上がったことを示す3曲。(兵庫慎司)