「わかりやすい」は正義!

ART-SCHOOL『In Colors』
発売中
ART-SCHOOL In Colors
木下理樹(Vo・G)にちゃんとインタビューしたことはないんだけど、なぜか昔から面識はある。マネージメントもレーベルも、デビューからこのバンドに関わって来た歴代のスタッフ、ほぼみんな知っている人だったりもする。このニューアルバムを聴いていて、彼らが口々に叫ぶさまが脳裏に浮かびました。「だから、これをやってほしかったんだよ!」と。
前作で闇を友達にしようと思った、けど闇は友達になれなかった、だから闇から抜け出したかった、光あるところへ向かうしかなかったのが今作だ、というコメントを木下理樹は出している。ゆえにメロディが美しくて曲構成も音像もポップでわかりやすくて拓かれている楽曲集になった、という理屈はわかるが、そういう曲を書きたいと思えば書ける、ってほど世の中簡単じゃないわけで、「じゃあもともと書ける人だったんじゃねえか!」という驚きが大きいわけです。理樹のあのクセの強い声と歌い方が耳に馴染まなかった、という人にも届くと思う、このアルバムは。あと、シンプルであることで逆に各メンバーの技量が発揮されている、という武器もあり。(兵庫慎司)
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