熱量もデカいし、懐も深い

トム・モレロ『ジ・アトラス・アンダーグラウンド』
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ALBUM
トム・モレロ ジ・アトラス・アンダーグラウンド

4月に対面インタビューした時は、なにやら絶好調の極みという印象だったトム・モレロ。世界が荒れる時、こういう人にはエネルギーが満ちる。すでにプロフェッツ・オブ・レイジのセカンドを制作中と話していたが、初のソロ名義となるアルバムも進めてたとは知らなかったので、ちょっと驚かされた。

本人が「今こそこの地球を救うために最後の力を振り絞って仲間を集結させるべきだと感じたんだ」と語っているだけあり、ロック、ダンス、ヒップホップとジャンルを超えて参加メンバーが集められ、全編にあふれた熱量のデカさが伝わってくる。大づかみに言うと、ナイフ・パーティーやスティーヴ・アオキといった人達の助力でビートを用意し、自らの変態ギターもフィーチャーしつつ、そこにキラー・マイクやレケイリー47によるラップ、あるいはマーカス・マムフォードやティム・マックルラスの歌などをのっけるという内容。「全く新しいジャンルの音楽を創りたかった」と意気込んだだけに、ギターも気合いを入れて弾いてるはずだが、音色や奏法に凝りまくったからか、エレクトロニックなトラックの上で激しく主張するというよりは、調和して馴染んでいる感触を受けた。

個人的には、もう少しバリバリとハード・ロックな雰囲気を残してくれた方が好みのバランスだったかも……と考えたりするが、それだとレイジと同じになってしまうと判断したのかもしれない。いずれにせよ、かなり盛りだくさんな内容なので、ここはじっくり聴き込んでみます。あと、ゲストが大勢すぎるためライブで再現するのは難しい部分もあるだろうが、この際ボーカルも含めて全部カラオケで鳴らし、それをバックに1人でギターを弾きまくるような形でもいいから、生のパフォーマンスを観たいと思う。(鈴木喜之)



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トム・モレロ『ジ・アトラス・アンダーグラウンド』のディスク・レビューは現在発売中の『ロッキング・オン』12月号に掲載中です。
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トム・モレロ ジ・アトラス・アンダーグラウンド - 『rockin'on』2018年12月号『rockin'on』2018年12月号
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