孤独から放たれる慈愛のメッセージ

須田景凪『Carol』
発売中
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須田景凪 Carol
“はるどなり”、 “Alba”と、ドラマや映画への書き下ろし曲を作る中で、どんどん歌もサウンドメイクも豊かにオープンになってきている須田景凪。新曲“Carol”は6〜7月放送のNHK『みんなのうた』のために書き下ろされた。

須田自身が幼い頃に体験した、気持ちを言語化できないもどかしい思いから生まれたという“Carol”。小さく音の響きが聴こえたと思ったらすぐに歌が始まり、その歌はラストまで堂々と優しく、前面で鳴る。《幸せを思い出すと/その度あなたが隣にいて/目を瞑る笑い方も/どうか忘れてしまわぬように》。ゴスペル的なサウンドアプローチに乗せて歌われる慈愛のメッセージ。とても情感が込められていてエモーショナルだ。須田は幼少期、いつか訪れる両親との別れを想像し、ひとり布団の中で泣いていたことがあったそうだが、人は結局ひとりで生まれてひとりで死んでいく。どんなに心が通じ合っても完全に一緒にはなれない。そんな残酷な事実が当たり前のように肉体化されたうえで、「あなた」を想う気持ちに溢れている。そんな大切な「みんなのうた」だ。(小松香里)

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