10代の締めくくり

Karin.『solitude ability』
発売中
ALBUM
Karin. solitude ability
10代ラストアルバムとなる3rdアルバム。不器用で歪な心がそのまま表れたような無垢さと不安定さを宿した歌は深く傷ついていて、それを支えるようにシンプルなJ-POPのバンドアンサンブルが鳴る。それはこれまでのKarin.の表現の主軸でもあるが、特に今作は、大人への階段をのぼる中で自己と向き合い、存在意義を探すような心情が耳を奪う。《私此処で息をしている/こんなこともいつか忘れて大人になる》(“過去と未来の間”)。《人とは何かが違うものが欲しくて/私の存在意義を教えて》(“ドライフラワー”)。複雑な感情が入り混じる中で、際立つのは孤独感だ。しかし、Karin.はそんな状態を包み隠さず、強い意志を湧き立たせ、むき出しの歌でもってすっくと前を向く。“痛みがわかれば”では、《私の言葉が誰かの必要な命になる/もうちょっと生きてみようかな》と自らの音楽の力に気持ちを新たにし、“世界線”の《それでも希望は溢れる/蛍光灯が夜の寂しさを守って/次の朝がくる》という言葉で本作は締めくくられる。タイトルの潔さにも顕著だが、最終的には「生」への渇望感が強く残る作品だ。(小松香里)

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