住み慣れた実家を離れる寂しさと上京への期待が入り混じって複雑で繊細な高揚感を感じさせる“光インザファミリー”に始まり、先日の幕張メッセワンマンで配布された新曲“ヨーローホー”の性急なビートに乗る確信に満ちた歌声に完全に引き込まれる。ハルカミライのパンクロックは決して勢い重視のものではないことがよくわかる。特に“裸足になれるはず”のメロディと歌詞には、曲が進むほどに背中を押されるような力強さを感じる。《何でも出来ると思った事など無いけど/私は自由に私を歩めるの》と歌う歌は共感という言葉を超えて、もはや現実的な希望ともなり得るもの。強い光を放つようなエンディングが象徴的だ。ラストの“ベターハーフ”が描く儚い恋の心象風景も、そのエモーショナルな歌声によって、まるで小説のように、映画のように、感情を揺さぶるのだ。(杉浦美恵)
歌の純度はさらに高く深く
ハルカミライ『ドーナツ船-EP』
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EP
住み慣れた実家を離れる寂しさと上京への期待が入り混じって複雑で繊細な高揚感を感じさせる“光インザファミリー”に始まり、先日の幕張メッセワンマンで配布された新曲“ヨーローホー”の性急なビートに乗る確信に満ちた歌声に完全に引き込まれる。ハルカミライのパンクロックは決して勢い重視のものではないことがよくわかる。特に“裸足になれるはず”のメロディと歌詞には、曲が進むほどに背中を押されるような力強さを感じる。《何でも出来ると思った事など無いけど/私は自由に私を歩めるの》と歌う歌は共感という言葉を超えて、もはや現実的な希望ともなり得るもの。強い光を放つようなエンディングが象徴的だ。ラストの“ベターハーフ”が描く儚い恋の心象風景も、そのエモーショナルな歌声によって、まるで小説のように、映画のように、感情を揺さぶるのだ。(杉浦美恵)