昨年、「色々あって初ツアーがZeppになっちゃったツアー」を成功させ、SNSを飛び超えて多くの人に楽曲を届けた
Rin音。その勢いのままに、新曲13曲を収録した2ndアルバム『cloud achoo』が完成した。2020年リリースの前作『swipe sheep』から引き継いだチルなムードの“Blue Diary”で幕を開け、シンガーソングライターasmiと恋愛小説のようなリリックをかけあう“bless feat.asmi”など、ゆったりと包み込まれる聴き心地の序盤。と思いきや、《俺が動くぞhaterは死んだふりしな 壊したいなら大歓迎だぜvisitor/人生なんてくだらんが1回きりだ》と攻撃的に切り替わるタイトルチューン“cloud achoo”以降はどんどんアップテンポなトラックへ。跳ねるビートがポップな“悪運星人”や、シリアスモードの“hell virgo feat.ICARUS”など、次々に新しいRin音の顔が見えて惹き込まれた。本人曰く「オバケについての噂話っていうのがテーマ」とのことで、噂への皮肉から、目に見えない心や思い出の尊さなどをキャッチーに表現。視野を広げ、ポップシーンにさらに深く切り込む快作。(後藤寛子)
『ROCKIN'ON JAPAN』6月号より