青空の下、メンバーそれぞれが選ぶ4つの「青」でペイントしたエネルギッシュなジャケット。活動初期作品を彷彿とさせるそのデザインに、大々的に用いられたバンドのシンボルカラー、4人の個性がぶつかり合うサウンドスケープ、爽快感とエモーションを兼ね備えたロック、キャッチーでダイナミックなメロディ、逆境に立ち向かうだけでなく、自らを焚きつけてそれを超えていこうとするスピリット――どこを切り取っても「これぞBLUE ENCOUNT」である。

2022年第1弾楽曲。同タイミングに辻󠄀村勇太（B）が来春より活動拠点をアメリカに移すこと、それ以降もメンバーとして今まで通りに楽曲制作、レコーディングを継続することを発表したこともあり、未知なるフィールドに挑戦する自分たちを鼓舞する楽曲として響いてくる。そこに迸るのはバンドで培ってきた人生と、田邊駿一（Vo・G）の人生哲学。晴れやかでありながらそこはかとなく感傷性を感じさせる音の渦は、まさに「青」の体現と言っていい。リスナーも巻き込んで力強く飛び立っていく。これぞロックバンドの生き様だ。（沖さやこ）

『ROCKIN'ON JAPAN』8月号より