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なんて鮮烈なイメージを発している2曲だろう。「生きてきた」という歴史と、「生きている」という刹那が同時に奏でられ、遥かな時間と遥かな距離がマジカルな跳躍で瞬間的に縮まり、今ここにいないはずの人の声が、今ここで響く。約3分間の超密度のポップソングの中で、そんな様々な出来事がスパークしながら巻き起こっている――そんな2曲。劇場先行版『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』の主題歌“Plazma”と、TVアニメ『メダリスト』のオープニング主題歌“BOW AND ARROW”。『LOST CORNER』以降、と言ってしまうには時期尚早かもしれないが、今年に入って立て続けにリリースされたこの2曲のシングルは、今の米津玄師の軽やかな衝動性を強く感じさせる楽曲たちだ。《もしも》という言葉が繰り返し歌われる“Plazma”は過去を、《行け》という言葉が繰り返し歌われる“BOW AND ARROW”は未来を眼差しながら、どちらの曲も承認も根拠も所有も必要としないしなやかさで、「俺は俺だ」と言っている。(天野史彬)(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年4月号より)
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