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自己との対話をテーマにした1st EP『インナーダイアログ』、対話を経て自分の正解を探した2nd EP『ロンリーパラドックス』。そんな自身の答えを持って現代社会と向き合う今作『アナザーダイバーシティ』で、レトロリロンはポップスバンドとしての圧倒的な実力と成長をみせた。耳に残るポップサウンドに乗せて歌うのは、作詞作曲を手掛ける涼音(Vo・AG)なりの「多様性」。1曲目の“ワンタイムエピローグ”で《どれも正解で構わない/ひとりひとり違うから意味があんだ》というフレーズを聴いた時、世間体を気にして無理やり箱に押し込んだ感情が解放されてドキッとして、バンド名が広がるきっかけにもなった4曲目“アンバランスブレンド”の《色褪せてた感情も/捨てかけてた心情も/"間違ってない"/この失敗が今の僕を作っている》という歌詞では、目を背けがちな醜い感情もネガティブも、まるっと包み込むあたたかさに安心した。レトロリロンは私が私らしく咲いて悔いなく枯れていける居場所を探し、共に育つ花となってくれる。(伊五澤紗花)(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年3月号より)
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