共闘のアンサンブルが示す音楽と人生の真実

東京スカパラダイスオーケストラ『私たちのカノン (VS. Chevon)』
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再生すると聴こえてくるのは、谷絹茉優の歌声とピアノの旋律。郷愁をはらんだ和風のメロディで高らかに歌い上げると、バンドやホーンが加わり、スカのビートを刻みだす。イントロを聴いただけでは、スカパラの新曲だと思わない人も多いのではないだろうか。今作は、スカパラの「戦うように一緒に音楽を作っていく。」というコンセプトの“VS.シリーズ”(ヴァーサス・シリーズ)の第2弾。そのため、今回のコラボ相手=Chevonの才能や発想が思いっきり発揮されているのだろう。作詞も、それぞれ独自のセンスを持つ谷中敦と谷絹の共作となっており、《カノン 遠く離れ響く音も/近過ぎたときの不協和音も/いつか すべての 道が/ 繋がってゆく 旅だったと/きっと分かる》など、今回の楽曲にも、私たちの人生にも、当て嵌められるような名フレーズが目白押し。敢えて中盤に持ってきたようなファンファーレ的な展開や、谷絹のエモーショナルなハイトーンも相まって、はじまりの季節を力強く引っ張ってくれる楽曲になっている。(高橋美穂)

(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年6月号より)


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