1stアルバムの一曲目と同じ“ファイティングマン”で豪快に幕を開けるエレカシベスト・エピック盤2枚組。なんだ、この圧倒的な力と覚醒感は!? もう何十回といわず聴いてるのに、聴くたびに仰天するとはどういうことだろう。当時ストーンズばかり聴いていたという宮本が全身全霊かけて生み出した最強でオリジナルなロックンロール。“シャララ”、“奴隷天国”、“珍奇男”、“この世は最高!”など、勝利を目前にした興奮と、革命への猛々しい意志が名曲群の中で爆発している。ライブでしか知らないという人は、何があっても聴くべき傑作だ。一方で4th『生活』に収録された “遁生”など当時は文学的で浮世離れした印象の楽曲が、その10年後に日常となった引き籠りやニートの「生活」に地続きなのも驚く。
初めて“ファイティングマン”を聴いた時、これは革命だ、と血が沸き立った。しかし本当の意味での革命は、彼らが当時と同じ高潔な志を抱き、メンバーの誰一人欠けることなく、常にリスナーに向かって20年歌い続けたことだった。武道館で鳴り響いた“シャララ”や“珍奇男”は本当に素晴らしかった。(井上貴子)