UKの新・新世代が躍動する!

ボンベイ・バイシクル・クラブ『アイ・ハド・ザ・ブルーズ・バット・アイ・シュック・ゼム・ルース』
ボンベイ・バイシクル・クラブ アイ・ハド・ザ・ブルーズ・バット・アイ・シュック・ゼム・ルース
新作間近のハドーケン!やジーズ・ニュー・ピューリタンズ、あるいは2ndへの期待高まるケイジャンといった00年代後半のUKシーンを彩った新世代の担い手達さえも後景へと押しやりかねないさらなる新たな才能の台頭が著しい。その筆頭だろうジ・XXとこのボンベイ・バイシクル・クラブは、共に10代かハタチと若く、しかし彼らはロックの様々な作法を既に熟知しているようであり、その音楽は不敵なほど達者だ。あらかじめ「歴史」がアーカイブとして目の前に存在し、「今」がリアルタイムで共有される時代に、その音楽の何かを世代で論じることは意味がないとしても、それでも彼らのアイデアの抱負さ、そしてそれを自分のものにする強かさのようなものはやはり抜きん出てる。この早熟の在り方は、かたやブルックリン勢のセンスと勘の鋭さによるそれとは異質なものだろう。冒頭から弾けるシューゲイズ・ロックを筆頭に、ガレージ、エレクトロ、スカ、トロピカル・ビート、サーフ、ジャングリー・ポップ、ネオアコ、ルーツ・フォーク……とフックのあるメロディにのせてあの手この手の楽曲を繰り出してくる。特徴的なのはそれらがミックスされた形ではなく、並列に置かれた状態で差し出される点だろう。キラーズ風の前半から一転、後半アンビエント・テクノ~音響的な展開を見せるM7は極端な例だが、彼らが示す多様性は例えばニュー・レイヴ以降の雑食的な折衷感覚とは明らかに異なる。あくまでギター・ロックの「型」を軸に、さまざまな魅せ方を提示するバランス感覚はむしろヴァンパイア・ウィークエンドにも近いか。シングル曲以外にもキラーチューン満載で、特に初期のストロークスっぽさもあるM8がいい。(天井潤之介)
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