90年代後半にもファミリー・ヴァリューズに参加するなど全米進出を画策していたと思しきラムシュタイン。だが、かの国で言語の壁を超えるのは難しいと判断したのか一時は撤退し、アメリカを揶揄した曲を歌いつつ、先に日本を攻めようとしていた。そして本作では再び戦略を転換し、新大陸への侵攻を狙っている様子だ。「俺にはチンコ、君にはマンコ、問題ないさ、さあやろう」という、おそろしく身もふたもない歌詞を英語で歌うリード・シングル“プッシー”（そのまんま）は、おそらく「深遠なるヨーロッパの精神性が分からない馬鹿なアメリカ人には、これくらい分かりやすくやってあげないとダメなんだろうさ」という、底意地の悪さが透けて見えるようだ。おまけにプロモビデオは無修正AVとしか言いようがない代物になってるし、もちろん俺も大喜びだよ（涙）……しかも、この作戦が成功したのだから感心するしかない。

音の方は、期待を裏切らないラムシュタイン節が満載で、あとはこれを、ますますスゴいことヤってるらしいライブで生体験できれば、絶頂感を得られること間違いなし。来てくれなくちゃイヤン！（鈴木喜之）