この手の「新人バンド・コンピレーション」には、大きく2つの楽しみ方がある。ひとつは自分だけのバンドを見つけること。そして、もうひとつは、シーンの次の流れを感じ取ること。音楽雑誌の編集者という仕事をしていると、特に後者の理由から、こういうアルバムは非常に重宝する。それこそ都内のライブハウスを一週間回り続けて獲得できる膨大な情報量が、ここには詰まっているのだ。
ウェブ・サイト・RO69が昨年行ったアマチュア・バンド・コンテスト『RO69 JACK 2009』。混戦を勝ち抜いた入賞バンドの音源を収録した作品がこれだ。よくもまあ、これだけ色彩豊かなバンドが集まったなあ、という驚きが先行するのと同時に、14組それぞれが持つ、今のロックに対するユニークな批評性に感心させられる。中には、実際にプロになったバンドもいれば、残念ながら解散してしまったバンドもいる。いずれにせよ「一瞬の輝き」で留めておくにはあまりにも惜しい才能が、ここにはゴロゴロ転がっているのだ。次世代の胎動を、このコンピレーションの中で感じ取ることができる。是非耳を傾けて欲しい。(徳山弘基)