「夏」が来る

サーファー・ブラッド『アストロコースト』
サーファー・ブラッド アストロコースト
同じビーチ・ボーイズ&ブライアン・ウィルソンを崇めるのでも、例えばアニコレなんかはもっと複雑な意匠を感じさせたが、2010年の彼らは実に屈託がない。まあそれが、サーフィンや「海」のイメージに直結する要因の一つなんだろうが。なかでも、ドラムスのベースレスな胸板の薄さと比べると、このフロリダの5人組はかなり“ロック”な印象だ。フックに満ちたギター・フレーズに、疾走感溢れるバンド・アンサンブル。リバーブが効いたサウンドやハーモニー、そして“抜け”のよさは、まさにウェストコーストの日差しを全身で浴びたソレそのもの。エモーショナルな演奏とメロディのスウィートネスは、ウィーザーとかUSエモにも近い。かと思えば、ヴァンパイア・ウィークエンドのようにトロピカルなビートを弾ませたりする抜け目のなさも。ギター・ロックのスタンダードに立ちながら、随所に覗く遊び心と手数の多彩さ。この界隈の玉石混交な中でも、「地肩の強さ」を感じさせるという意味では断トツ。個人的にはザ・ソフト・パックと並んで、目下2010年最高のロック・バンド。サマーソニックのステージが本当に楽しみだ。(天井潤之介)
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