いつか通る道

アゲインスト・ミー『ニュー・ウェイヴ』
アゲインスト・ミー ニュー・ウェイヴ - ニュー・ウェイヴニュー・ウェイヴ
キャリアは早10年、フロリダのパンク・シーンでは中堅中の中堅と言っていいだろうアゲインスト・ミー。古巣のファット・レックからサイアーに移籍、本国で昨年リリースされた彼ら初のメジャー・アルバムが本作である。サマソニ来日に伴って日本盤が慌てて編成されたのかもしれないが、歌詞も重要なバンドだけにここは素直に喜びたいところです。フロントマンのトム(Vo)の吟遊弾き語りソロ・ユニットに端を発するアゲインスト・ミーは、その出発点を色濃く反映したルーツ・ミュージックへの傾倒が個性となってきたバンドである。しかし、フォーク・パンクとも呼ばれる彼らの音楽性は今回の新作において急変を遂げている。分厚いコーラスといい、哀愁を振り切って搾り出されるトムの男臭いシャウトといい、クライマックスを必ず曲の最後に持ってくる分かりやすい展開といい、ブッチ・ヴィグをプロデューサーに起用した本作はよりメジャーで直球、より暑苦しくラウドなパンク・ロックを目指して整形された作品である。個人的にはティーガン・クイン(ティーガン&サラ)とのデュエットが泣けるM6みたいなかつての面影が捨てがたいですが。(粉川しの)
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